なぜ<きょうすいうなぎ>が高くなったのか?


             入谷鬼子母神門前「のだや」当主 談

                                    2015年5月12日


 

今回は、『「のだや」が入荷する活鰻〜共水』についてご説明しようと存じます。

と云うのも、【共水活鰻】の相場高騰について、
おかげさまで、当店“共水ファン”お客様のご理解を賜りました昨今ですので、
重ねて御礼申し上げますと共に、若干ご説明させて頂きますm(__)m

何故【共水活鰻】の相場が高騰したのでしょうか?
皆さまご存じのとおり共水うなぎは、他の養鰻場のような促成栽培ではなく、
疑似四季飼育と云って2年間にわたり丹精込めて飼育したうなぎを出荷しております。
もともと幻と云われたほど供給量の少ない活鰻であるところに、
更に皆様のご注文が集中し、産地での供給が追い付きませんので、
需給バランスが崩れて、現在は本当に【幻のうなぎ】と化している
状態でございますので、必然として、共水相場も高騰したのだと推測されます。

特に、当店当主が最も美味しいと思い、
“お客様に自信をもってご提供出来るサイズ”程、
稀少なサイズになってしまいますので、
“幻の中の幻”と云うに相応しい状況になってしまっております。

何故【共水活鰻】が“幻の鰻”と呼ばれるブランド活鰻なのでしょうか?

その答えは、昔々数十年前では当たり前だった
「露地池養殖」に酷似しているからだと思われます。

「露地池養殖」とは、養殖池をビニールハウスで覆わずに飼育して、
餌は鯵や鰯の生魚を与えて、2年以上の歳月を費やして養殖すると云う、
限りなく天然鰻に近い、贅沢な養殖方法でしたので、その味と風味は絶品でした。

しかし、バブル期になり“うなぎ需要”が急増するにつれて、
養殖池をビニールハウスで覆い水温を暖かくしつつ、
魚粉餌を与えて半年程で成鰻にする促成飼育が主流になりました。
(そうしないと、うなぎファンの需要に供給が追い付かなかったのでしょうネ)

その中で、【共水活鰻】は、養殖池をビニールハウスで覆ってはいますが、

@清廉な井戸水を使い
A春夏秋冬の水温別の池で養殖しながら
B特殊な魚粉を使用して餌やりしつつ
C1年半の歳月を費やして、丁寧に成鰻に仕上げます。

だから未だに、古の「天然鰻」や「露地池養殖鰻」の特徴と味を
受け継いでいるのだと推察されますし、
元々限られたファンの方のみに認知されていたので“幻の鰻”と
呼ばれていたのだと思われます。

ご縁があって、一昨年の夏から当店でもご提供を始めましたが、
“幻の鰻”と云う最高級の素材を【野田屋流の匠の技】で仕込みますと、
“既存の「共水うな重」とは一線を画す”と評判高い、
当店の『きょうすい重』が誕生致しました。
昨年以降、マスコミ各位様に取り上げられました結果、
お客様のご用命に対して、産地供給が追い付かない事も多々ありまして
ご迷惑をお掛け致しておりますが、
“あるときだけの『幻の鰻』を味わう粋”をご理解賜りましてご愛顧の程お願い致します。
今回も、長々とお付き合い頂きましてありがとうございました。

読者皆様の御来店を、従業員一同心よりお待ち申し上げております


  
 

          
           

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