蒲焼の形を決めるのは「串打ち」の技術


             入谷鬼子母神門前「のだや」当主 談

                                    2015年4月28日



前回の【野田屋流“匠の技”割き編】は、おかげさまで大好評でございましたので、
今回は「串打ち」編をご説明しようと思います。

うなぎ好きな皆様は、色々なお店で「蒲焼」を召し上がっていると思いますが、
形が綺麗な長方形だったり、そうでない楕円形だったり、
肉厚がふっくらしていたり、薄い干物のようだったりと、
様々な形の蒲焼がある事に気付いている事と思います。

実は、蒲焼の形を決めるのは「串打ち」の技術次第なのです。

「割き」編でご説明したような、綺麗な割き上がりの活鰻でも、
「串打ち」次第で、蒲焼の形状が決まってしまいますので、
“匠の技”の要の技術と云えるかも知れません。

そもそも、「串打ち」には美的センスが備わっている事が不可欠ですので、
例えるならば、お刺身やオードブルの盛り付けセンスに通じるものがあります。

順を追って説明しますと、綺麗に割いた活鰻でも、
生肝の入っていた腹身の部分は凹んでおりますので、
その部分を持ち上げるようにして竹串を挿入してゆきます。

活鰻の大きさにもよりますが、当店では、大きさに応じて4本から9本の竹串を
挿入して蒲焼を支えるようにします。

関西風の金串と違って、竹串は挿入する時、摩擦が結構ありますので、
支える指の力も要求されますし、強靭な皮膚(串ダコの有る)でなければなりません。

そして、
僅か1p以下の肉厚の真ん中を、
“編む”ように竹串を進めるのですから(この神技によって、
柔らかく蒸しても壊れない“万遍返し”が出来る
のです)、
正しく熟練の技が必要とされる事がご理解頂けると思います。
(下の仕込み写真を参照の事)

そして、竹串を適宜な本数挿入後に形を整えますが、
上から見ると綺麗な長方形に仕上がりまして、断面から見ると、
1p以下の薄さが、秘伝の串打ちによって肉厚になっており、
その表面は光沢を放ちつつ、限りなくフラットな状態になります。

その結果、本焼き時“匠の万遍返し”によりまして、
表面がフラットなので、必要以上のタレが付着する事も無く、
光沢のある“ふっくら”した飴色の蒲焼が完成する
のです。

これが【うなぎ料理人総本家“匠の技”串打ち編】ですが、
今回は、完成した蒲焼を断面から撮影しましたので、
串の挿入部と蒲焼の厚みが分り易いと存じます。

最後に、うなぎファンの皆様に、“串打ち”のチェックポイントを
お教えしますと、串が付いたままの蒲焼で販売されている商品を
観察すると、今回の説明が良く理解出来ると思いますよ(^_-)

以上のようにご説明致しましたが、まだ【野田屋流の串打ち】には、
当主自らが「一子相伝」で伝承している奥義がございます。
それはここではご説明できませんが、そのヒントは、
当店の蒲焼の“ふっくらさ”にありますので、
当店ファン皆様の味覚で解明してみて下さいませ(^_-)

長々とお付き合い頂きましてありがとうございましたm(__)m
皆様の御来店を、従業員一同心よりお待ち申し上げております<m(__)m>




  

 




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